チームビルディングその1

①監督の仕事とは何か。

 まず監督はチームへのコミュニケーションと個人へのコミュニケーションを図ることが大事である。チームに伝えても伝わらない時は個人に問いかける。チームに伝えたい・伝わる内容はチームに伝える。そして「客観的」にも「主観的」に見られる位置にならなければならない。

 

 ではコミュニケーションとは何か。

 

チームへのコミュニケーションは、方針から始まり、「勝負をする」事において監督が求めている事、求めていない事を伝えていかなければならない。

2018年オフシーズンに厳しい練習からチームは分裂しかけたような様子を見た。そうと気づけば、一人一人に合計2万文字の想いを綴ったレポートをマウンドで集合して配布した。一人一人への想いを受け取ってもらえるような努力をしなければならないのが監督である。

時に厳しく、むしろ厳しくする事の方が多い監督だからこそ愛情表現をしていかなければならない。

そしてチームに「夢」を見させなければならない。もし、自主性をテーマにしたチームでも、教科書のない中で自主学習はできない。その場合は引き出しをしっかりと受け取ってもらえるまで伝え続けるべきである。

 

チームとのコミュニケーションは方法論として、時に選手同士で話すことも必要なのだ。

主将との会話の中で現状を気づかせ、話し合い、監督と主将の考えを擦り合わせ、代表として主将の言葉と想いで代弁してもらう時もある。

例えば、「今チームは一生懸命やることに一生懸命になってしまっていて、息詰まっているように感じるけどどう感じる?」そして主将と意志を統一して、最後に「何かあった時は全力で味方になるから、想うことを伝えてこい」と送り出す事も多々ある。監督と主将は厳しい中にも絆を生まなければならない。2人にしか分からないことがあっても良い。

 

だからこそ主将を選ぶ時は、純粋な心持ち・言いづらい事も言える・上手い選手・少し弱さのある選手を選ぶのが理想である

 

 個人のコミュニケーションは何故必要なのか?監督が個人に寄り添う必要性はあるのか。答えから言うと寄り添わなければならない。監督はチーム全体を観る仕事だ。もはや人間観察が癖にならなければならない。チームは1人欠けた時に恐ろしい影響を与える。そしてチームを預かった以上、全ての個人の問題も監督の責任である。そして厳しい指導への耐力も個人のコミュニケーションから生まれる。腐ったみかんと例えられるが、それが手がつかない状態になった時にはもう遅い。「表情1つ」で、心の距離を感じれば、その選手のことを認めてあげ、溝を埋めることが必要だ。そもそもそのような事が起きないように、叱った後にはこちらから話かけて、少しずつ表情の硬さを取ってあげるべきである。

それが積み重なると信頼が構築されている個が堅い絆で結ばれているチームが誕生する。そこには少しの変化に気づき技術指導でアプローチして明るい表情に変えるのか、それとも精神的な面でアプローチが必要なのかを探り、的確なる解決を積み重ねるのである。

どこで褒めるのか、どこで叱るのか、このタイミングを見逃してはならない。これだけはタイミング次第で心を開いてくれるのかが決まるため、「隙」の中で模索するコミュニケーション能力が大事である。

これができて初めて監督の仕事が始まると言っても良い。

監督と個人との対話・監督とチームとの対話・選手同士の対話などの手段を選び適材適所に判断するのである。

 

これはできるようにならなくてはならない監督力であるだろう!

 

ゆーた監督

おすすめの記事